【助産師監修】簡単ソフロロジー法:イメージトレーニング編

【助産師監修】簡単ソフロロジー法:イメージトレーニング編

「ソフロロジー」という言葉を
妊娠して初めて耳にしたことがある方も多いと思います。
ソフロロジー式分娩法とは、
ひと昔前まで主流であったラマーズ法にかわるお産の方法です。
(詳しくは「ソフロロジーって何がいいの?」へ)

しかし、初めて聞く方は
その方法を難しいと感じてしまったり、
とっつきにくいイメージを持つ方も多くいらっしゃいます。
また残念な事に、病院によっては医療者側も
ちゃんと理解している人がいない場合も見られます。
そのため、真のソフロロジーの良さを伝えることが
未だ出来ていないのも現状です。

今回は素晴らしいお産方法である『ソフロロジー式分娩法』を
4回に分けて誰でも分かりやすく、説明していきます。


ソフロロジー式分娩法は主に以下の3つの事を行います。

①イメージトレーニング 
②呼吸法
エクササイズ

今回は①イメージトレーニングについてお話しします。

ソフロロジー法における
「イメージトレーニング」とは

何をイメージするのか

ここでいう「イメージ」というのは、
自分の体に起きている事、胎内にいる赤ちゃんのこと、
お産のこと、今後の生活のこと、今までの人生で楽しかったことや
リラックスしたことなどを思い出したり考えたりすることを指します。

そして自分の体や赤ちゃんに、
今まで以上に意識を集中させる練習をします。
また、お産やその後の生活についても、
過去に起きた幸せな気分を思い出しながら
ポジティブなイメージに持っていくのです。

出産前からこの「良いイメージをする」という思考の訓練は、
お産という極限状態に置かれたときに大変効果を発揮します。

イメージトレーニングでどのような効果があるのか

ソフロロジー式分娩法における「イメージトレーニング」は
大変重要でとても大切です。
何故かというと、
イメージトレーニングを上手く行えば、
既に7〜8割はお産を上手く乗り越えているのと同然だからです。

イメージトレーニングができてこそ、
その後に続く呼吸法やエクササイズもスムーズに行えるようになります。
例え、途中で帝王切開になったとしても、そこで育まれた母性は無駄になることなく、出産後スムーズに育児に移行することができます。

イメージトレーニングの方法

一般的なイメージトレーニングの方法

ソフロロジーのイメージトレーニングを行うには、
ソフロロジー専用の音楽を使います。
この音楽は自律神経を落ち着かせ、聴いた人を眠りにいざないます。
そのため、30分程度ある音楽を最後まで聞くことができない程です。

トレーニングを始めたばかりの方は、
この音楽に心地よい女性のアナウンスが入ったバージョンの音楽を聴きます。
その声に誘導されイメージトレーニングの練習を行うのです。
すると、次第に音楽を聴いただけでも自然と心も体もリラックスし、
気持ちを落ち着かせることができるようになります。
音源はCDもありますが、
現在は音楽サイトからのダウンロードで簡単に手に入ります。


簡単にできるイメージトレーニングの方法

CDがなくても、イメージトレーニングはできます。
まず、ソフロロジーの基本的な考え方として
『自分の力を信じる』
『お腹の赤ちゃんの力を信じる』
ということがとても大事になってきます。

あなたが妊娠できたという事は、
あなたは出産できる体を持っているという事です。
そして、お腹の赤ちゃんは、
あなたをお母さんとして選びこの世に出ようとするエネルギーを持っています。
お母さんは「産む力」を、
赤ちゃんは「産まれる力」を持っています。

当たり前の事なのですが、この様に考えられない方が多くいらっしゃいます。
そして、出産が近づくと不安から更に自信を無くす方も多いのです。

イメージトレーニングの基本は、
自分の力を信じることです。

夜寝るとき、
お産を穏やかな表情で迎えている自分を想像しましょう。

赤ちゃんを初めて抱き上げたとき、
笑顔になっている自分を想像しましょう。

お産は迎えてみないと分かりません。
でも想像はできます。みんな不安があるのは当たり前です。
しかし、このように考えてみましょう。

自分なら産める!
みんな産めている!
今まで人類はそうやって子孫を残してきた!
私が出来ない訳がない!!

この考えとても大事なんです。
そして、「穏やかな表情でお産を迎えている自分」
「笑顔になっている自分」を1日1回は想像してみてください。
時間があるなら、好きな音楽を聴きながら、
好きなアロマを焚きながら、リラックスした気持ちで想像をすると
より良いでしょう。

そして、毎日お腹の赤ちゃんに話かける時間をしっかり作ってください。
それはとても今しかないとても大切な時間です。
(詳しくは「お腹の赤ちゃんに話かけるのはいつから?」へ)

その時がきたら一緒に頑張ろう。
という気持ちが自然に生まれてきます。
不思議と赤ちゃんを同志に感じます。
自然に湧き出る母性を育んでください。

しかし、お産や育児に対し、「不安を感じる自分」も否定しないでください。
それを受け止めた上で赤ちゃんに会えるのがとても楽しみだな、
というプラスの気持ちをどんどん育ててください。

さいごに

難しい訓練はいりません。
日頃の生活で日々大きくなる自分のお腹をさすりながら、
母性がどんどん育まれるように、
今からでも笑顔で出産を迎えている自分をいっぱい想像をしてください。

そしたら、あなたはもう大丈夫。
あなたは立派に、お母さんとして赤ちゃんをこの世に迎えてあげれます。

自分の力、赤ちゃんの力を存分に信じてお産に臨んでくださいね。
※こちらも参考にどうぞ
【「懐かしい風景・匂い」があなたを安産に導く鍵】

次回は②呼吸法について説明します。