【助産師監修】陣痛がこない!陣痛を起こす効果的な方法をご紹介

【助産師監修】陣痛がこない!陣痛を起こす効果的な方法をご紹介

出産予定日近くにも関わらず
全く陣痛の気配がない方
来る気がしない方

また
前駆陣痛やおしるし(産徴)といった
お産の前触れや予兆はあるけど
なかなか本物の陣痛にはならない方

陣痛(痛みの間隔がずっと10分以内)は始まっているのに
お産がなかなか進まない…
といったママは多くいるでしょう。


今回は陣痛誘発剤や促進剤を使わずとも
陣痛が来る方法
陣痛促進をさせる
効果的な方法を具体的紹介します。

どれもすぐできることばかりです。
まずは簡単に取り組めそうなものから
はじめてみましょう。


妊婦さんによっては即効性があるものもあります。
ぜひ試してみてください。

乳頭刺激(乳頭マッサージ)

妊娠が順調に経過している方は
母乳授乳の準備をするために
「乳頭マッサージ」の
必要性を説明されるでしょう。

* 陣痛を起す刺激の意味合いでここからは
「乳頭マッサージ」を「乳頭刺激」と記します。


乳頭刺激は
赤ちゃんが飲みやすい乳頭をつくり
出産後からスムーズに母乳授乳することができる
ことが期待できます。

しかしこの乳頭刺激は
「陣痛促進」にも効果があるのです。

医療の現場では微弱陣痛の方に、
「助産師が乳頭刺激をしながら陣痛を促進すること」
は少なくありません。
それほど子宮の収縮を強くする効果があり
比較的効果が高い方法とも言えます。


なぜ乳頭刺激をすると子宮が収縮するのか?
詳しくはこちらも参考にしてください。
知らなきゃ損!妊娠・出産・育児が「楽に」なる乳頭マッサージの効能】で

注意してほしいのは
刺激するのは乳房ではなく「乳頭」です!

※俗にいう「おっぱいマッサージ」は乳房・乳輪・乳頭を含めた総称です。

具体的な乳頭刺激の方法については
こちらを参考にしてください。
【誰でも簡単!痛くない乳頭マッサージの方法】


運動・ストレッチ・体操

赤ちゃんの頭がさがる(骨盤に入る)と
お産のスイッチが入るといわれています。

そのため陣痛がくるためには
赤ちゃんを「下に降ろす」ことを意識することが大切です。

階段昇降

階段の上り下りは陣痛促進に大変効果を発揮します。
階段昇降の際の運動は、お母さんの骨盤を開き
重心の上下により赤ちゃんの頭が骨盤にはまりやすくなります。

身近な階段で実施するのが一番ですが
季節的に厳しい「夏・冬」は
ショッピングセンターなどの階段がおすすめです。
また家の中での踏み台昇降するのもよいでしょう。

効果をあげるポイントは
・1日最低でも30分以上行う

階段をゆっくり上り下りする

階段の上り下りの刺激はすぐには効果はなく
続けることによって
ママの骨盤や子宮に刺激を与えることができます。

また階段をゆっくり上り下りすることで、
お母さんの骨盤が広がり
赤ちゃんの頭がはまりやすくなります。

早く上り下りをしてしまうと
赤ちゃんの頭ははまりにくいだけではなく
大事な腰や膝を痛めてしまいます。
また転倒のリスクがありとても危険です。

呼吸を整えて自分のペースで行いましょう。

ちなみに
階段を上るよりも、下りるときの方が
陣痛促進に効果が高いとも言われています。


膝の調子や体調を考慮して
エレベーターをうまく活用すると
負げずに運動を持続することができます。

スクワット

スクワットも階段昇降と同じで
お母さんの骨盤を広げ、赤ちゃんの頭がはまりやすくなります。

効果をあげるポイントは
壁に手をつき「しっかり」「ゆっくり」腰を落とす
「30回1クール」を1日2クール以上

壁に手をついて行うスクワットは
確実に重心を落とせます。
しっかりゆっくり行うことで、
赤ちゃんの頭がお母さんの骨盤にはまりやすくなります。

また膝や腰が痛くない限り何回でも行って大丈夫です。

スクワット中は息は止めないでください。
腰を落とすときにしっかり吐き
腰を上げるときは自然に空気を吸いましょう。


これはお産時の呼吸法の練習にもなります。
いざ陣痛が強くなってきた時も
自然に呼吸ができ安産へ導くことができますよ。

ウォーキング

歩くことは体重コントロールや
赤ちゃんを下す効果のほかに
気分転換にもなるいい運動です。
歩き方は、小幅よりも大幅で歩く方がより効果的。
有酸素運動で赤ちゃんも気持ちのよい運動です。

床掃除・トイレ掃除

昔からよく言われる床掃除やトイレ掃除。
腰を落としなが全身を動かす動作になるため
陣痛がきやすい動きとも言えます。

出産後赤ちゃんを気持ちよく迎えるためにも
出産前の拭き掃除はおすすめですよ。

バランスボールや木馬に乗る

出産施設のなかには
陣痛を自然に促進させるための道具を
揃えているところもあります。

バランスボールや産婦さん専用の木馬イスは
ゆらゆら上下や左右にゆれることで
赤ちゃんの頭を骨盤に降ろすことを助けるため
陣痛が促進しやすくなります。

ジャンプはしていい?

昔は陣痛促進の方法として
ジャンプを推奨することもありました。

しかしお腹が大きく揺れるため
足腰を痛める・転倒するなどの可能性や
衝撃が続くことにより胎盤が剥がれてしまう危険性を
言われるようになってきました。

陣痛を起こすために
ジャンプやなわとびをすることは
しないでください。

陣痛を起こしやすい体勢

赤ちゃんが骨盤に入りやすい(下りてきやすい)
体勢をご紹介します。
きついときは無理をしないようにしましょう。

蹲踞(そんきょ)の姿勢

ウンチングスタイルやうんこ座りといわれる姿勢です。

和式トイレの座り方になるこの姿勢は
骨盤や股関節を広げてくれるため
赤ちゃんの頭が骨盤にはまりやすくなります。

呼吸を止めず、力を入れず行いましょう。

あぐらの姿勢

運動をするのがしんどいという方は
あぐらの姿勢をおすすめします。

あぐらの姿勢は骨盤や股関節がひらき
重力によって赤ちゃんも下りてきやすくなります。

なるべく足の裏を合わせた姿勢をしましょう。
陣痛が始まった後もこの姿勢をすることで
スムーズなお産に導くことができます。

四つん這いの姿勢

四つん這いの姿勢も効果的です。
余裕があれば腰をふるとさらによいでしょう。
床掃除やトイレ掃除もこの姿勢ができます。

お腹の中の赤ちゃんの背中が
ママのお腹側に回ることで
赤ちゃんが産道を通りやすくなります。


陣痛が起きた後も
この姿勢をとると陣痛の痛みが和らぐのに
お産を進みやすくしてくれます。

寝方

少し休みたいとき、横になりたいときは
赤ちゃんの背中がない方を下にして寝るとよいでしょう。


四つん這いの姿勢と同じで
赤ちゃんが回りやすく骨盤に頭がはまりやすくなります。


一般的にママが楽な姿勢は右向きです。
左向きで寝てキツイ場合はすぐやめましょう。

その他の方法

ツボ押し

一番知られているのが「三陰交」というツボです。
くるぶしの3~4横指上の部分で
押すと痛気持ちいいと感じる部分です。

親指などでゆっくり指圧して上げましょう。
またお灸をしたことがある方は
お灸をあててみるのもよいでしょう。

入浴・足浴・温める

からだを温めると陣痛が起きやすくなります。
足浴も産院施設で陣痛を促進するときによく使う方法です。


下半身の冷えは陣痛を遠ざけてしまいます。
寝るときに足先が冷えている方は
湯たんぽで足元を温めるのも効果的です。

カイロは温める部分が狭く
接触しないと温かさをあまり感じず
低温火傷の可能性あるためおすすめできません。

アロマの芳香浴

陣痛を促進してくれるアロマの芳香浴もおすすめです。
リラックス効果と女性ホルモンへの影響により
子宮収縮が期待できます。
その時の気分に応じて香りを選ぶとより効果的です。


代表的なアロマ
ラベンダー、クラリセージ、ゼラニウム
カモミール、サイプレス、ローズ・レモングラスなど

食事

オロナミンCや焼き肉は
陣痛を起こす食べ物として
昔からいわれているジンクスです。
しかし、その医学的な根拠はありません。

でも、私の経験上
効果があった妊婦さんも多くみてきました。
もちろん効果がない方もいますよ。
また39週以降の方の方が効果が高いような気がしています。

注意しないといけいことは
早い段階から何回も摂取しないということです。
37週以降は体重も急激に増加するため
摂り過ぎには十分気を付けましょう。

今日陣痛が来てほしい!

今日、陣痛が来てほしい!そう思っている方もいるでしょう。
そのためには
途中でお腹が張っても中止せず行うのがポイントです。

さらに
赤ちゃんに声をかけながら行うのも効果的!
「早く会いたいな」と伝え
一緒に頑張ろうという気持ちで臨みましょう。

刺激や運動中に、お腹の痛みや張りがでてきたら
「よし、よし!!」と思い
さらに頑張ってくださいね。


※「陣痛がこない原因」を理解しておくとより効果的です!
【陣痛がこない!その原因とは?】

注意すること

激痛があったり苦しくなったら中止しましょう。
くわえて妊娠高血圧症候群等の持病がある方は
運動は控えてください。
体調が優れない場合も控えましょう。

さらに
赤ちゃんの胎動が感じられない
出血がある場合は
ただちに運動を中止しかかりつけの病院に
電話受診してください。

さいごに

いかがだったでしょうか。
かなりスパルタに感じるかもしれませんが
予定日を1週間近く過ぎている方は
特に実践してもらいたいものになります。


その他の方々はできるだけのことをしたら、
あとはゆっくり赤ちゃんが出たいという合図を待ちましょう。