【助産師監修】「内診」は何を診てるの?産婦人科の診察
- 2019.10.05
- 更新日:2024.04.08
- 楽しいママライフ 楽しい妊娠
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![【助産師監修】「内診」は何を診てるの?産婦人科の診察](https://birth-consultant.com/wp/wp-content/uploads/2019/10/内診1-890x500.jpg)
産婦人科の受診をすると、大抵の場合「内診」という診察があります。
「内診」とは医師や助産師が、受診者の膣の中に指を入れて診る診察のことで、
下図のような内診台という診察台に乗り、股を広げて受ける診察です。
![](https://birth-consultant.com/wp/wp-content/uploads/2019/10/内診台-1-1024x1024.png)
主に指を1~2本(必要時には3本以上)膣に挿入し、診察を行います。
そのため初めての方や、慣れない方も大勢いらっしゃいますし、
診察をする際に抵抗を感じる方も多くいらっしゃいます。
それは、そうですよね。
自分の大事な場所を、
医療者とは言え他の人に見せるのはとても苦痛なことです。
そのような苦痛を強いられる検査だからこそ、
何を診ているのか?それによって何が分かるのか?
を具体的に知っておくことがとても大切です。
それが分れば苦痛に感じた内診も意味のあるものと自覚でき、
ポジティブな気持ちで受けることができるかもしれません。
また、医師や助産師にも質問がしやすくなります。
今回は、妊娠、出産、産後で行う
「内診」についてそれぞれ説明していきます。
妊娠中に行う内診
![](https://birth-consultant.com/wp/wp-content/uploads/2023/02/妊娠ママ.jpg)
妊娠中に行う内診は、
主に切迫早産になっていないかを調べていきます。
内診により子宮の入り口の硬さ、開き方、赤ちゃんの頭の下り方等を診ます。
出産間近の場合は、出産の兆候はあるかを診ます。
予定日超過を過ぎる場合は、
子宮の入り口(子宮口)の中に指を入れ刺激し、子宮口を開き、
赤ちゃんを包んでいる膜と、それに張り付いている子宮の壁を剥がす
「卵膜剥離」という処置をする場合があります。
これにより陣痛発来を促し子宮口開大を期待できます。
俗称で「グリグリ」ともいわれています。
出産していい時期になっているにも関わらず、
「内診が痛い」と感じた場合は、
まだ体が出産の準備ができていないという目安にもなります。
分娩・出産時に行う内診
分娩・出産時には内診により分娩の進行具合を診ます。
子宮口の柔らかさ、向きや位置、開き方、赤ちゃんの頭の位置等を確認し、
分娩がどれぐらい進行しているかを診ていきます。
また、赤ちゃんの頭の骨(骨重責、大泉門や小泉門等)を触り、
赤ちゃんがどのように回旋して生まれてきているかを診ます。
赤ちゃんが産道を回って下りてくる回旋を診る事は大変重要で、
違う回旋をしていたり、赤ちゃんの頭の進入の角度が違うと
分娩が滞ってしまう原因になります。
もっと詳しく知りたい方は以下もご覧ください。
【赤ちゃんはどうやって産まれてくるの?】
【なぜ赤ちゃんの頭は「丸くないの?」「デコボコしているの?」「へこみがあるの?」】
その他にも、
赤ちゃんを包んでいる羊膜と羊水の状態、膣の形や硬さ、
産道に面する骨盤の形等も把握して、
トータル的にお産全体の流れを把握していきます。
![](https://birth-consultant.com/wp/wp-content/uploads/2023/02/声掛け.jpg)
出産直後・産後に行う内診
出産により子宮口や膣といった産道に傷は付いていないか、
出血はないか、出血が溜まっていないか等を診ていきます。
また出産後、子宮が元の大きさにに戻ろうとしているか
(子宮復古ができているか)等を診ます。
出産直後、入院中、1ヶ月検診でこれらを診ていきます。
内診台の上で行う、内診以外の診察
内診台では指で診る内診の他にも
経膣、経腹でみる超音波診察(Bスコープ)と、
膣の中に特殊な器材挿入をして、膣を広げて観察する
クスコ診があります。(下図参照)
![](https://birth-consultant.com/wp/wp-content/uploads/2019/10/クスコ-1-1-1024x1024.png)
超音波では「内診」では分らない深部の状況をみることができます。
クスコ診では膣を広げ観察できるため、
目で膣や子宮の入り口などの状況を観察することができます。
内診台で行う診察時の痛みを防ぐ方法
内診台に乗る診察はナイーブな診察になるため
医療者側もなるべく苦痛を与えず、
短時間で済ませる事を心がけています。
しかし、緊張のあまりに「内診や診察をこわい」と感じてしまうと
必要以上に痛みを生じる場合があります。
膣に力が入るとどうしても痛くなってしまうからです。
内診台に乗る際はまずゆっくり深呼吸することが大事です。
また、指や器具や超音波のプローベを挿入する際は、
口を大きく開けながら息をしていきましょう。
さらに目を大きく開けるのも効果的です。
そしてなるべく股、特に股関節に力が入らないのを意識しましょう。
それでも、診察を受けている間に痛み等があれば
必ずその場で医療者に伝えてください。
その痛みの訴えも大事な診断の基準になります。
さいごに
内診で診察している事がなんとなくお分かり頂けたでしょうか?
受診する方は勇気がいったり、最初は苦痛に思うかもしれない診察ですが、
どの診察も、産婦人科の診察には欠かせない大事な診察になります。
自分の体のことは自分では知る権利があります。
診察中「今どういうことをされいるのか」が分かると、
不安の軽減に繋がり、質問もしやすくなると思います。
自分の体に起きていることに疑問を持ち、質問し、それを理解する姿勢は、
自主的にお産に臨む為にもとても大事なことです。
妊娠期間中から、分からない事があれば
どんどん質問していける癖をつけることをオススメします。
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