【助産師監修】完全母乳のコツは?

【助産師監修】完全母乳のコツは?

完全母乳とは

赤ちゃんへの栄養の方法は母乳栄養、人工栄養(ミルク)、混合栄養に分類できます。完全母乳(完母)とは簡単にいえば栄養をミルクに頼ることなく完全に母乳で行うことをいいます。
母乳至上主義みたいにいう助産師や育児経験者の方がいますが、私は愛情を、持って育てれば、どれがいい栄養かの優劣はないと感じています。
そのことを踏まえた上で今回は母乳で育てたいという方からよく質問される、早く完全母乳になるコツについてお話しします。

『混合栄養』については以下を参照してください。
助産師もおすすめ!『混合栄養』(母乳とミルク)は育児を「楽に」するメリットがいっぱい

完全母乳になるコツ

妊娠前から乳頭、乳輪マッサージを行う

妊娠前からの乳垢とりや、乳頭・乳輪マッサージを行うことにより、出産前から乳管開通が見られます。また、授乳開始後からスムーズな乳汁分泌につながります。 さらに、日頃から触っていると皮膚の鍛錬ができ、皮膚が強くなるため、授乳開始後によく見られる乳頭亀裂などのトラブルも少なくなり、授乳をしばらくの間中止することもありません。※マッサージを始める時期は妊娠10ヶ月に入ってから行いましょう。

毎回母乳をあげる

母乳が出るまで数日かかると説明をしましたが、(なぜ母乳はすぐにでないのかはこちらで解説)出ない間も、必ず授乳のときは最初におっぱいを加えさせるのが大事です。乳頭に刺激を与える事で、頭に母乳をつくるよう指示をしているのですが、その指示を多く受けることによって母乳分泌がスムーズになってきます。そして「吸われたらおっぱいが出る」反射がうまれるようになります。その後は、赤ちゃんの泣き声を聞くだけでおっぱいがにじみ出てくることを、体験するでしょう。

乳房マッサージ

おっぱいの張りが落ちつく産後1週間後ぐらいから、母乳だけで赤ちゃんが満足しないようなら、授乳前に肩を回し、乳房を上下左右に基底部から動かす動きを数回してみましょう。分泌がスムーズなり量も増えます。

授乳は片方3〜5分/回ずつの2往復が鉄則

最初から片方のおっぱいを10分ずつの計20分程度吸わせる授乳では、なかなか完全母乳は確立しません。母乳を多く飲んでもらうには、、片方のおっぱいを3〜5分吸わせそれを2往復する方法をとりましょう。その方が乳頭への刺激も多いため、同じ20分でも後述の方が出る母乳の量が多いのです。

夜中の授乳を頑張る

おっぱいは夜発達します。そのため、夜の授乳をおっぱいで頑張ると母乳の量が増えやすく完全母乳の近道になります。しかし、睡眠不足により、心身ともに余裕がなくなる場合は、無理をせず家族に協力を得たりミルクの力を借りるなりして休んでください。完全母乳よりも、自分の体をまず考えてあげた方が結果的に、赤ちゃんにとっても余裕を持って接することができます。

まとめ

母乳を与えてる時間は、とても幸せを感じる大事な時間の一つです。しかし、自分を追いつめて苦痛になると、おっぱいをあげることも苦痛になってしまいます。一番大事なのはお母さんがニコニコして、余裕をもって赤ちゃんに接することです。それが赤ちゃんの成長にとって一番いいんですよ。