【助産師監修】なぜ母乳はすぐに出ない?
- 2019.02.21
- 更新日:2024.04.10
- 楽しい育児
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出産すると母乳が出ると思っていたのになかなか出ない…
自分のおっぱいが変なのかしら?そう悩まれるお母さんが大変多くいます。それでも赤ちゃんにはおっぱいを吸わせないといけない。出てないおっぱいを加えさせてかわいそう…このように落ち込むお母さん達をたくさん見てきました。
しかし出産してすぐに母乳が出ないのは医学的にも当たり前のことなのです。だから悲しんでいるお母さんに落胆しないで欲しい、と口を大にして言いたいのです。
ではなぜすぐには母乳がでないのか。
理由は明白です。
母乳を出さないようにするホルモンが体内に残ってるからです。
産後2日ぐらいまでは妊娠を継続するために必要な『プロゲステロン』というホルモンが体内に残っています。『プロゲステロン』は母乳が出るのを止める役割をしています。その理由は、もし妊娠中に母乳が出て、吸われてしまうとお腹が張り、切迫早産を引き起こすからです。このホルモンは、赤ちゃんを守るため、赤ちゃんをお腹の中で育てるための、とても大切なホルモンなのです。妊娠中に乳房は発達しても、母乳が出てこないのもこのホルモンの働きです。
妊娠中の『プロゲステロン』は胎盤から分泌されるホルモンです。胎盤がなくなったら『プロゲステロン』の分泌もなくなりますが、しばらくは体内に残ります。そのため、その間は母乳がでないのです。そして血中濃度が低くなる産後3日目以降から乳房が張りだし、母乳の分泌が始まります。
すぐすぐ母乳が出ないのはホルモンのせいなんです。
出ないおっぱいを3時間おきに飲ませないといけないのは苦痛で辛くて…このままずっと出ないのではないか?と、産後3日目までに自信を失う人がなんて多いことか…
それは違います!おっぱいはそういうものだと思って下さいね。
完全母乳を目指すなら1.2ヶ月かかるのは当たり前です。中には3ヶ月以上かかるの人もいます。赤ちゃんとお母さんのペースがあるのです。焦ることはありません。
母乳で授乳できるのは人生の中でとても限られた時間です。是非授乳の時間を楽しんでくださいね!
次回は少しでも早く完全母乳にするためのコツをお話します。
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[…] 助産師をしていると、『母乳絶対主義』の考えを目の当たりにします。私も一時期は、なるべく完母になるように指導するのが正しいと思っていました。現に、完全母乳を強く勧める助産師はたくさんいますし、それに力を入れている産院や助産院もあります。確かに母乳は、赤ちゃんにとってとても良い成分(栄養、免疫)が含まれています。その他にも、経済面や愛着形成からいった利点はたくさんあります。そのため、母乳が溢れてくるぐらいたくさん出る方は、是非完母をおすすめします。また、母乳で絶対育てたいという強い信念の方もいらっしゃいます。自分と赤ちゃんが無理をすることがなければ、完母を目指していいと思います。*詳しくは:以下の記事も是非参考にされて下さい。【完全母乳になるコツは?】【なぜ母乳はすぐに出ないの?】 […]
[…] 母乳が出るまで数日かかると説明をしましたが、(なぜ母乳はすぐにでないのかはこちらで解説)出ない間も、必ず授乳のときは最初におっぱいを加えさせるのが大事です。乳頭に刺激を与える事で、頭に母乳をつくるよう指示をしているのですが、その指示を多く受けることによって母乳分泌がスムーズになってきます。そして「吸われたらおっぱいが出る」反射がうまれるようになります。その後は、赤ちゃんの泣き声を聞くだけでおっぱいがにじみ出てくることを、体験するでしょう。 […]