それは私の妹の誕生が
大きなきっかけでした。

私は6人弟妹の一番上として育ってきました。
一番下の子とは13歳離れています。
そのため
幼少期から赤ちゃんがいる生活が当たり前
お母さんが妊婦さんであるのが普通
みたいな生活を送っていました。
(今考えたら全然普通ではないのですが…)

そのため
赤ちゃんはとてつもなくかわいい!
お母さんはすごい!
というのは自然に感じていた環境でした。

転機が訪れたのは
私が小学生4年生の時の5番目の子(妹)の誕生でした。

あの阪神大震災が起こったその日
私の妹は胎児仮死という状態で生まれました。
一時心肺停止のところまでいきましたが
医療スタッフの懸命な処置のお陰で命が救われました。

妹は長いNICU(新生児集中治療室)での入院をすることになりました。
子どもの私は直接面会はできませんでしたが
窓から小さい妹を見るのがとても楽しみでした。
いっぱい管につながれながらも
一生懸命に生きようとするその力強さは
今でも鮮明に目に焼き付いています。

また同時に
一生懸命お世話をしてくれたNICUの看護師さんに
強い憧れを持つようになりました。
なので私の4年生の文集には
ばっちり「NICUの看護師さんになる」っ書いています(笑)

その後
妹は脳に少しダメージが残りましたが
6番目の妹のお陰もあって学習能力も引き上げられ
今では立派に社会人として働いています。

私はこの時の経験が強く心に刻まれた状態で
思春期を送っていました。
途中で歴史の先生になりたいとか
理学療法士にも興味を持ったがあったけど
あのNICUの看護師さんがやはり忘れられませんでした。



そして看護師さんよりもっと
お母さんや赤ちゃんに携わることができる職業の
「助産師」があることを知ったのです。

この職業の存在を知った時
私が好きで興味があることが仕事にできるなんて
なんて幸せなんだと感じました。
今もその気持ちは変わりません。

助産師の仕事をしていると
妊婦さん・産婦さんから
どうしてこの仕事を選ばれたんですか?
ととても多く聞かれます。

助産師という言葉は知っていても
実際どういうことをしてどのような立場の職業なのか
今まで知らなかったという人が多く
妊娠して助産師に接するようになってから
この職業に興味を持ってくれるようです。

とても嬉しい。

実際私の知り合いの助産師は
自分がお母さんになってから
また社会人になってから助産師になった方も
多くいらっしゃいます。

私も自分が母親になって
改めて
「お母さんと赤ちゃんってすごいな、おもしろいな」
を日々感じています。
そして助産師でよかったなとも感じます。

今度はその助産師として
積み上げてきた経験や知識を
もっと世の中に役立てていきたいなと思っています。

投稿者: バースコンサルタント 古市菜緒

『妊娠・出産・育児』専門バースコンサルタント。助産師として1万件以上の出産に携わり、8千人以上の方を対象に産前・産後のセミナー講師を務める。海外での生活を機にバースコンサルタントを起ち上げ、現在「妊娠・出産・育児」関連のサービスの提供、アドバイスを行う。関連記事の執筆・監修、商品・サービスの監修、産院のコンサルタント、国・自治体の母子保健関連施策などに従事。現在2児の母。

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