【助産師監修】赤ちゃんの便秘解消法!「綿棒カンチョウ」の方法とコツ

【助産師監修】赤ちゃんの便秘解消法!「綿棒カンチョウ」の方法とコツ

赤ちゃんが便秘になってしまいやすい理由と
その予防法について前回説明しました。
(詳しくは【なぜ赤ちゃんは便秘になるの?その理由と簡単予防法】にて)

どんなにお母さんが頑張っても
赤ちゃんが便秘になってしまうことはあります。
そのとき、便秘を解消させる方法として効果的なのが
「綿棒カンチョウ」(綿棒刺激)です。

しかし、「綿棒カンチョウ」と聞いて、
初めてその処置をするお母さんたちは
やり方が分らず、躊躇してしまい
排便が出ないだけではなく
ただ赤ちゃんに苦痛を与える処置になってしまう場合があります。

今回はより「綿棒カンチョウ」の効果を出せるように
初めての方でも簡単にできる「綿棒カンチョウ」の方法とそのコツを
説明します。

「綿棒カンチョウ」の方法とコツ

① お風呂後の授乳後15分~30分の機嫌が良い時に処置するのがベスト

処置をするタイミングとしてベストなのが、
お風呂後の授乳後15分~30分です。
お風呂上りは体が温まり腸も動きやすくなっています。
さらに授乳すると腸の蠕動運動は活発になるので
一番腸が活発に動いているこのタイミングに処置を行うと
簡単に排便を促すことができます。
また機嫌もよい場合が多いため、安全に処置がしやすくなります。
泣いているときは暴れて肛門を傷つける場合があるので避けましょう。

お風呂後の処置が難しい場合は
日中の授乳後15分~30分に行いましょう。
またこの授乳時に、
赤ちゃんのお腹をお母さんの手のひらで温めてあげると
腸が活発に動きやすくなります。
しかし、夜中の授乳後の刺激は効果が低いだけではなく
赤ちゃんの睡眠を妨害するので避けましょう。

② 処置前にお腹のマッサージ

処置を行う前に赤ちゃんのお腹のマッサージをすると
より効果を高められます。

まず、マッサージする際は手を温めましょう。
冷たすぎる手は赤ちゃんがびっくりしてしまいます。

マッサージは前回説明した「の」の字マッサージでもよいですが、
処置の前にするとより効果的なマッサージは
赤ちゃんの両脇腹からマッサージをする方法です。

まず、お母さん両手を赤ちゃんの両脇腹に添え
片方ずつ中央に向けて脇腹を寄せていきます。
このとき手のひらではなく親指以外の指4本全体を使い
脇腹の下の部分からしっかりと中央に寄せていきましょう。
交互に3秒~5秒ほどづつ寄せるの3往復繰り返します。
このとき、腸を全体に動かす感じをイメージします。

便秘中の赤ちゃんにこのマッサージをすると
便が腸に溜まっているため腹圧がかり、
赤ちゃんは「うーん」とうなるかもしれません。
また顔を真っ赤にしていきむかもしれません。
このような反応を赤ちゃんが示してくれれば
うまく腸を刺激できていると言えます。

またマッサージする際
お母さんの手には抵抗を感じるでしょう。
逆に抵抗を感じない場合は便が溜まっていないか
うまく刺激できていないかになります。

③ 赤ちゃんの膝をお腹につくよう固定

赤ちゃんの足を膝がお腹につくぐらい曲げます。
その際、膝は外側に向かせましょう。
腹圧がしっかりかかるためいきみやすく
肛門が開くため赤ちゃんが排便しやすい体勢になります。

④ 肛門部分を親指で5回ほど圧迫 

赤ちゃんの膝をお腹につけたら
お母さんの親指の腹を、おしり拭き越しに赤ちゃんの肛門しっかりにあてます。
そのまま1~2秒ほど圧迫、そして緩めます。
これを5回ほど行いましょう。

肛門から腸に刺激を与えることができ、蠕動運動を促します。
腹圧もかかっているためガスが出るときがありますが、
これはしっかり腸へ刺激ができた証拠です

⑤ 綿棒を肛門に挿入し6時の方向に圧迫する

綿棒はベビー用ではなく通常のサイズの綿棒を使用します。
ベビー用の綿棒は肛門を傷つけやすいからです。

綿棒の綿の部分に
ベビーワセリンや純度の高いオリーブオイルをつけます。

肛門に綿棒の綿の部分を挿入します。
その際、赤ちゃんの膝がしっかりお腹にあたっているかを再確認しましょう。
挿入した綿棒は6時の方向に圧を加えます。
「全方位に刺激を」とかかれているものもありますが、
このやり方だと不慣れな方は赤ちゃんの肛門を傷つけやすくなります。
また、刺激も不十分で失敗しやすくなります。

挿入した綿棒は、肛門を広げるように
6時の方の肛門の壁に圧をしばらくかけます。



そうすると、赤ちゃんがウンウンとうなり(いきみ)始めます。
その際も赤ちゃんの膝は外を向きお腹にくっついてるようにしましょう。

その後ガスや便がみられます。
ガスが出てきた場合はそのまま綿棒で圧迫を続けたまま
さらに10秒ほどは待機しときましょう。
その後排便がみられます。

肛門入口付近の固い便が出たらスムーズに排便します。
排便があると赤ちゃんもどんどん楽になり
うなりがなくなっていきます。

逆に、30秒ほどしても何も反応がなかったら
また次の授乳後に上記の①~⑤の過程を行ってください。

おわりに

「綿棒カンチョウ」がうまく行えない場合は
出産した産婦人科等に相談してみるのもいいでしょう。
実際赤ちゃんを連れて行くと、
やり方も一緒にみせてもらえるかもしれません。

綿棒浣腸の目安は、便が3日以上出なかったらなど言われていますが、
3日以内でも赤ちゃんのお腹がカエルの様にパンパンになっていたり、
苦しくて、うなっていることが多いときなどを目安にしてください。

毎日行う方もいますが排便時の癖になってしまいます。
なるべく自然の排便を促すためにも
前回の予防法でも説明した
マッサージや足の曲げ伸ばしの運動等を日頃からしてみましょう。

赤ちゃん用の「いちじくカンチョウ」も販売されていますが、使用時は使用上の注意を必ず読んでご使用下さい。