なぜ赤ちゃんは「赤い」のか?

なぜ赤ちゃんは「赤い」のか?

はじめに

産まれてきたばかりの赤ちゃんはこの世に誕生するとすぐ、呼吸をするため一生懸命大きな声で泣きます。その呼吸で体がすぐに赤くなりはじめ、赤ちゃんの体は真っ赤になります。実際お産の現場では、出産を終えたお母さんやそのご家族が、みるみる赤くなっていく赤ちゃんの姿をみて、「赤ちゃんって本当に赤いんだ」とよくおっしゃっています。特有の赤みは数日で治まりますが、出産して1か月程は赤みを帯びたように見える子も多いです。
「赤ちゃん」の語源は諸説ありますが、今回はその理由の一つにもなっている赤ちゃんが「赤い」理由を説明していきます。

赤ちゃんが「赤い」理由

皮膚が薄いから

赤ちゃんの皮膚は大変薄く、血管が皮膚から透けて見えやすくなっています。泣いたりすると、血圧が上がりさらに血管が浮き出るため、体全体が赤みを帯びたようになります。
しかし、出産後、日常生活で日光を浴びたり、外気の刺激に触れることで皮膚が厚くなっていくため、自然に赤みも落ち着いていきます。

多血だから

赤ちゃんの血液は、酸素を運ぶ赤血球の割合が成人に比べ20%ほど多くなっています。なぜかというと、母親のお腹の中では、赤ちゃんは自力で呼吸できないため、酸素交換は臍の緒を通る血液で行われます。呼吸で行う酸素供給よりも、血液で行う酸素供給は効率が劣ります。そのため充分な酸素を確保するために、胎内の赤ちゃんは多く赤血球を持ち、スムーズに体全体に酸素を供給できるようになっています。出産してこの世に誕生し自分の力で肺呼吸できるようになると、余分な赤血球は不要になりますが、出生してからしばらくは体内に残るため、赤ちゃんは全体的に赤く見えます。

褐色脂肪細胞が多いから

産まれたばかりの赤ちゃんは自分で自由に動くことができません。そのため熱を発生させるため、エネルギーをつくる褐色脂肪細胞が成人に比べ多くなっています。この細胞は多くの酸素を必要とするため、褐色脂肪細胞には血管が集中し毛細血管が密集しています。その結果、血管が集中しているところが多くなるため全体的に赤くみえます。

さいごに

赤ちゃんは自分のからだを守るために、大人とは違う仕組みで体を守ろうとしています。酸素を効率よく供給するためだったり、熱の生産を自力で行うための仕組みが結果的に皮膚を赤くしているのです。そう考えると、赤ちゃんの「赤」は生命力を表すとても重要な意味をなしているのがわかります。
実際、赤ちゃんの皮膚色は赤ちゃんの状態を知るうえでも、とても大切な指標になっています。産まれてまもない赤ちゃんの皮膚色が青みがかっていたり、黄色く(詳しくは【「新生児の生理的黄疸」について】へ)なったりすることもあり、その色で赤ちゃんに今起きている状態をいち早く察知することができます。赤ちゃんの皮膚の色にも意識をむけて接してみてくださいね。