妊娠中に起きる色素沈着とは

妊娠中には肌の変化も色々起こります。
その中でもカラダの一部分が黒くなる
「色素沈着」はプレママ達もびっくりされる変化の1つです。
この色素沈着、どういう所に起こるのかというと、
前回お話をしたお腹の正中線
(詳しくは【正中線って何?妊娠中にお腹の中心に現れる黒い線の正体】へ)
だったり、乳頭や乳輪、陰唇部や会陰部、脇や足の付け根の部分です。
そして1番厄介なのは顏のシミです。

出産して割と早く消えていくのは
お腹の正中線や脇、お裾( 陰唇部や会陰部 )

出産して、授乳がある程度落ち着い後に消えるのは
乳輪や乳頭の部分。


そして、消えずに残りやすいのは
足の付け根の部分の色素沈着と顏のシミです。


なぜ妊娠中に色素沈着が起きるのか

なぜ色素沈着は起きてしまうのでしょうか?

それは、
出産時や出産後に刺激を受けるお裾部分と乳輪・乳頭 の皮膚を守る為です。


陰唇部や会陰部の色素沈着

赤ちゃんが産まれてくる時、
女性のお裾の皮膚は柔らかくなり、伸展しないと
上手く赤ちゃんを迎えてあげられません。
そのため色素沈着を起こし皮膚を強くします。
そして、強く、しなやかな皮膚の状態でお産の時を迎えるのです。


乳輪・乳頭の色素沈着

乳輪・乳頭も同様です。
授乳をする事で今までにない刺激を乳頭・乳輪に受けることになります。
吸啜時の赤ちゃんの起こす陰圧は思っているより強いのです。

その陰圧の例えとして…
大人が固いシェイクを飲むとき、
最初にストローで思いっきり吸い上げる圧と一緒と言われています。

その圧を乳頭乳輪部分に受けると
乳頭亀裂を簡単に引き起こし、授乳どころではなくなります。
(詳しくは【乳頭亀裂の予防法と早い治し方】へ)
乳頭がもぎ取られてしまうのでは?!というぐらいツライ経験をします。
乳頭・乳輪の色素沈着も皮膚を強く、
しなやかにする事でその刺激から皮膚を守ろうとしているのです。

以上のように、妊娠中の色素沈着は、
出産・育児に向けて皮膚を保護するために起こるとても大切な変化なのです。


厄介な色素沈着も同時に起こる

そのため、妊娠中は色素沈着しやすい身体なっているともいえます。
特に普段からショーツがあたり、
皮膚にこすれる足の付け根部分は黒くなりやすくなります。

そして顏は、日差しが外部の強い刺激となり、
普段よりも簡単にシミになりやすくなります。

これを防ぐために、妊娠前よりも
より一層のスキンケアや日焼け対策をする必要があります。
残念ながら、偶発的に起きてしまうこれらの色素沈着はなかなか消えません。


さいごに

色素沈着は決して悪いものではなく、
お母さんの身体を守ってくれる大変素晴らしい変化です。
しかし、できてしまった「顔のシミ」に
ショックを受けるお母さん方をよく見てきました。
季節に限らず、全身のスキンケアをしていくのをオススメします。
そして、そのほかの変化は妊娠期間中に現れる
貴重な変化ですので気持ちよく受けいれてくださいね。

投稿者: バースコンサルタント 古市菜緒

『妊娠・出産・育児』専門バースコンサルタント。助産師として1万件以上の出産に携わり、8千人以上の方を対象に産前・産後のセミナー講師を務める。海外での生活を機にバースコンサルタントを起ち上げ、現在「妊娠・出産・育児」関連のサービスの提供、アドバイスを行う。関連記事の執筆・監修、商品・サービスの監修、産院のコンサルタント、国・自治体の母子保健関連施策などに従事。現在2児の母。

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