【助産師監修】「乳頭亀裂」の予防と早い治し方

【助産師監修】「乳頭亀裂」の予防と早い治し方

なぜ「乳頭亀裂」が起きるのか

出産後授乳を開始してからしばらくすると、
多くの方が『乳頭亀裂』を経験します。
その痛みは想像以上で
授乳を挫けてしまったり諦めそうになる人もいらっしゃいます。

なぜ起こるのでしょうか?
それは赤ちゃんのおっぱいを吸う力が
想像以上に強いからです。

以前もお話したように
(詳しくは【シミに注意!妊娠中に起きる色素沈着】
その力は、固いシェイクを
最初にストローで吸い上げる時と
同じ陰圧と言われています。

それを長時間、頻回に乳頭・乳輪に刺激を与え続けるのですから
それは誰だって乳頭にキズが出来てしまいやすいのです…

1番出来やすいのが乳頭の付け根のところ。
今にも食いちぎられてしまうのではないか?!
と思うぐらい深く切れてしまいます。
それでも授乳の時間は来るため
ゆっくり傷を癒す時間もありません。
そのため、治る時間もとても長くかかってしまいます。

「乳頭亀裂」の予防法と治療法

出産前にできること

お腹が張ってはいけない妊娠9ヶ月までは
あまり乳頭は触ってはいけません。
乳頭を触ると子宮が収縮するように出来ているからです。  
(詳しくは【知らなきゃ損!妊娠・出産・育児が「楽に」なる乳頭マッサージの効能】へ)

なので、それまでの時期は1〜2週間に1回乳頭をチェックをし、
溜まった乳頭の垢をとるようにしましょう。
取るといっても無理に取らないでください。

やり方は純度の高いオリーブオイルや馬油、白色ワセリン
(詳しくは「赤ちゃんにも安心して使える「白色ワセリン」活用法」へ)など
肌に負担のないオイルをお風呂に入る5分前に乳頭・乳輪に塗布します。
効果を得るためにラップで保護すると尚いいでしょう。
お風呂の中でガーゼの様な柔らかい布で少し擦りながら垢を取ります。
出ない場合は無理に擦らなくで大丈夫。
逆に擦りすぎないようにしてください。

こうすると、皮膚の鍛錬ができ
乳頭・乳輪の皮膚が柔軟になります。
そうするとキズが出来にくくなる効果が期待できます。
その後妊娠10ヶ月に突入したら乳頭をしっかりマッサージしましょう。
(詳しくは
【これで痛くない!「乳頭マッサージ」と「乳頭の垢とり」の方法】へ)

出産後にできること

授乳時キズが出来にくいように深く吸啜させないといけません。
しかし出来てしまったら…
乳頭のキズやまた出来そうなところに、自分の母乳をつけます。
また純度の高いオリーブオイルやベビー用の馬油や羊油、
白色ワセリンなど近くのドラッグストアでよく見かける
赤ちゃんが口に入れても安心なオイルを塗布します。
それを授乳が終わる毎にしてください。
効果を早めるためにはラップで保護するのをおすすめします。

昔の知恵では、
ユキノシタという植物が
乳頭亀裂に効果があるといわれてきました。。
ユキノシタの裏の皮(産毛の部分)を剥がし
それを乳頭に貼り付けラップ等で保護すると治りが早くりますよ。

さいごに

赤ちゃんとの幸せな時間である授乳の時間を邪魔されない為にも、
出産前から出来ることをしとけば、
傷を防げたり、できても最小限の傷に抑えることができます。
妊娠中から乳頭に興味をもち、乳頭のケアをしてみてください。