【助産師監修】「夫婦仲がいい」と思っている人の妊娠・出産・育児での落とし穴

【助産師監修】「夫婦仲がいい」と思っている人の妊娠・出産・育児での落とし穴

あなたは夫婦仲が良いと思いますか?

では
「夫婦力」は高いといえますか?

夫婦仲が良いだけでは
実際妊娠・出産・育児で待ち受ける様々な変化には対応できません。
この大事な時期をいかに楽しく幸福度を高く過ごすことができる為には
「夫婦力」はとても重要な力です。

「夫婦力」とは
夫婦で直面する問題を解決する能力や
お互いを思いやり労わる気持ち
信頼関係・尊敬など
夫婦を成す為に必要な要素を含んだ力のことです。

この力は夫婦になったからといって備わるわけではありません。
また結婚年数や、子どもが生まれるまでの夫婦の時間も関係ありません。

この力が強い夫婦ほど
社会に対するストレスにも対処でき
幸福度も強く感じます。
※詳細は
【「妊娠・出産・育児」が「楽に」なる鍵は『夫婦力』にあり!【前編】】
【「妊娠・出産・育児」が「楽に」なる鍵は『夫婦力』にあり!【後編】】

このことからも分かるように
夫婦仲と夫婦力は全く違います。
勿論夫婦仲がよくないと夫婦力は高くはならないのですが
『夫婦仲=夫婦力』ではありません。

私がカウンセリングを受けるクライアント様の多くは
「夫婦仲は良い」と感じている方がほとんどです。
しかし実際は
ご主人を思うばかりに言いたいことが言えない
仕事で疲れているだろうから頼みたいことも遠慮していえない
仕事で稼いでいるのは夫の方だから家事は頼みにくい
私は結婚してもらったという負い目がある
といったように自分では意識していないところで
一線をひいている方が多いのです。

こういったご主人に対する想いは
一見配慮であったり思いやりにもみえます。
しかしそれは
どちらかが我慢をしている状態と一緒です。
この傾向はOVER35の女性にとても多くみられるのです。

そういう状態が続くと妊娠・出産・育児という家族の節目で
またそれに伴う変化に夫婦が対応できず
夫婦関係は簡単に崩れてしまいます。

これは夫婦仲は良いが夫婦力が高くはない一例です。

夫婦にとって一番大事なのは
相手への配慮や思いやりはもちろん大事ですが
同じ家族(チーム)を担うものとして
相手と対等に話をし
自分の言いたいことや意見を互いに言え
信頼関係や尊敬を深めていける夫婦です。

一番ダメなのは
「〇〇なんだから分かってよ」と口で言わずに思う態度

具体的には
妊娠してからだがキツイのに家事を率先してやってよ
私も仕事して帰ってきているんだから自分の食器ぐらい洗ってよ
一緒に暮らしているなら掃除も自分からすすんでやってよ などなど

相手に「悟って先回りに行動して」と期待する。
これは自分の意見をいう面倒を避け
相手に頼る(相手のせいにする)ことです。

現在ご主人に対して
「私がして欲しいことに気づいてもくれない、率先してやってくれることもない。」
と思うことありませんか?

それはまずその考えを正す必要がありそうです。
そのままの夫婦の状態で
出産・育児に突入すると
産後クライシスを引き起したり
ひどい場合は重度の産後うつを起こすことになります。
※詳細はこちら
【子どもが0歳~2歳での離婚率が高い!仲良し夫婦でも危険な『産後クライシス』とその対処法】

男性脳は「言われないこと=存在していないこと」にとらえます
あなたが何も言っていないのに
爆発した後に
これをして欲しかった、あれをして欲しかった
と後から言われても寝耳に水なのです。
気が利かないのではなくそういうものだと理解しましょう。

そして
妊娠中から少しずつ自分の意見を言えるようにしましょう。
そうすることで
ご主人も手の出し方が分かってきます。
それは育児が始まってからも多いに役立ちますし
自分が少しでも楽になり
結果的にはよい育児に繋がるのです。
そうやって協力をし合う日々を過ごすことで
夫婦力が増し
今後も家族としても強いチーム力を発揮できるのです。

改めていいます。
「夫婦仲良い=夫婦力がある」ではありません。
夫婦仲が良くても産後クライシスによって
離婚に繋がるケースは大変多いのです。
現にそのケースを多くみてきました。

妊娠・出産・育児を
楽に楽しく
家族全員の心身が健康であり続けるためにも
この夫婦力を一度見直してみてください。