出産前にしてもらいたい 会陰切開や会陰裂傷を防ぐためにできること

出産前にしてもらいたい 会陰切開や会陰裂傷を防ぐためにできること

はじめに

経腟分娩による出産では、会陰切開や会陰裂傷を起こすことがあります。(詳しくは「会陰切開・会陰裂傷とは?経膣分娩で起こりやすい傷とそのケアについて」へ)
それらを予防するためには、会陰部の伸展を良くすることが大事になってきます。それに効果的なものとして前回は『会陰マッサージ』を紹介しました。(詳しくは「助産師が教える正しい会陰マッサージの方法」へ)
しかし、ただ会陰マッサージをすれば必ず予防できるものではありません。今回は会陰マッサージと併用して行って欲しい、会陰切開や会陰裂傷を防ぐためにできることを紹介します。また、以下の方法は会陰マッサージをすることができない方(切迫早産や安静が必要な方)や、会陰マッサージは抵抗があるけど、会陰切開や裂傷はなるべく避けたいという方も実施できる内容になっています。

出産前にできること

股関節を柔軟にする

股関節の柔らかさが安産の秘訣

出産時には股関節の柔らかさがとても重要になってきます。理想は、足裏合わせで座る(合せき)姿勢で、両方の膝が床に着くのが理想的です。
股関節が固く足が開かないと、赤ちゃんが産まれるために通る「産道」がとても狭くなります。産道が狭くなると分娩も滞りやすく、また出産するときも赤ちゃんを娩出しにくくなるため、過剰な力が会陰部にかかります。そのため、会陰裂傷が起こったり、赤ちゃんを娩出し易くするために会陰部に切開を入れることになってしまいます。
そのため、股関節を出産前から柔らかくしておく必要があります。妊娠するとホルモンの作用で、体全体の靭帯が緩みます。そのため、妊娠していない時よりも、股関節は広がりやすくなります。それでも個人差はあるため、分娩台に足を広げるのがキツイ方もいます。そういう方々は、ひどい場合、分娩が遷延し帝王切開になることも稀にあります。

股関節を柔軟にするための姿勢と運動

股関節を柔軟にするために、日頃から座禅の姿勢を組むように座ることをオススメします。座禅の姿勢は自然に股関節を広げてくれます。座禅を組むときの注意点は、下半身が窮屈になる服装は避け、組んでいる足を左右同じ時間ずつに組みなおして下さい。そうすることで、背骨や骨盤の歪みが生じるのを防ぎます。座禅の姿勢に慣れてきた方、もしくはキツイ方の場合は、合せきの姿勢で座りましょう。膝の重みで、より股関節を伸ばすことができます。また、合せきの姿勢のときに、吐きながら膝を下の方にバウンドさせる運動を行うと効果が得られやすすいです。さらに、股関節や太ももの筋肉をなでるようにマッサージすると血流も良くなり冷えが解消され靭帯も伸びやすくなります。

下半身を冷やさない

下半身の冷えは難産を引き起こすと言われるぐらい、お産にとって大敵です。その冷えは会陰部の伸展も不良も引き起こします。そのため、日頃から下半身を冷やさないように、くるぶし以上の靴下を履きましょう。 靴下をどうしても履きたくない場合は、つま先が出ている 靴下やレッグウォーマーだと不快感が和らぎます。
妊娠したら体が熱く感じる方も多いと思いますが、実際足を手で触ってみると、多くの妊婦さんは足が冷たくなっています。出産時にそのまま足が冷たいままだと、お産が長引く場合があります。そのため、お産で入院するときは、靴下やレッグウォーマーを持っていきましょう。
お産中に足の冷えがひどい場合は、足浴をして足を温める施設も多くみられます。

妊娠10ヶ月に入ったら夏でも入浴をする

妊娠10ヶ月に入ったら、なるべく入浴をして下半身が温めましょう。それにより会陰部が温まり、会陰マッサージするとなお効果が得られます。しかし、長風呂は貧血等を起しやすいため避けてください。

ソフロロジー式分娩法の「イメージトレーニング」「呼吸法」「エクササイズ」の実践

以前説明した、ソフロロジー式分娩法の「イメージトレーニング」「呼吸法 「エクササイズ」を実践しましょう。お産に対する心と体の準備ができます。そのため、出産時に無理ないきみをすることなく、ゆっくり穏やかに赤ちゃんを娩出することが可能なため、会陰裂傷や会陰切開率が大変減少します。
詳しくは以下へ。
簡単ソフロロジー法【イメージトレーニング編】
簡単ソフロロジー法【呼吸法編】
簡単ソフロロジー法【エクササイズ編】
ソフロロジー式分娩法って何がいいの?

バースプランに記す

出産時やその後の希望を記す「バースプラン」を書いてもらう施設が多くなってきました。会陰部の裂傷は仕方ありませんが、会陰部の切開をしたくないという希望は記すことができます。 また、バースプランがない施設の方は、出産で入院する際、担当の医師や助産師に必ず伝えるようにしましょう。
なぜバースプランに記すのを勧めるかというと、施設によっては、会陰の伸展が良好であるにも関わらずルーチンとして会陰切開を行うのが当たり前のところももまだ多く存在するからです。
しかし、前提として会陰切開は必要に迫られ行う行為です。会陰切開をしなけねばならない事象が発生する可能性があることもあらかじめ理解しておいてください。

まとめ

お産がうまくいくなら、会陰部切開や会陰裂傷はできればしたくない処置です。今回の紹介した内容と会陰マッサージを取り入れ、少しでも傷が少ない、満足したお産を迎えられるようにしてくださいね。