【助産師監修】高齢出産は何歳から?高齢出産あれこれ

楽しいママライフ

現在、日本のみならず先進諸国では
女性の社会進出や生活の変化により
「高齢出産」が当たり前になってきています。

しかし、実際「高齢出産」という言葉はよく耳にするけど
詳しいことが分らないという方も多くいらっしゃいます。
今回は身近になってきた「高齢出産」のことについて
簡単にご紹介します。

高齢出産はいくつから?

「高齢出産」は35歳以上で出産すること(特に初回のもの)
をいいます。

これはWHOで定義が決められています。
しかし、日本では1991年以前まで
30歳以上の出産のことをいっていました。
その後女性の社会進出や晩婚化を受けて
日本もWHOと同じ基準になりました。

現在の日本の
平均初婚年齢(最初の結婚をする年齢)は29.6歳
平均初産年齢(最初の出産をする年齢)は30.7歳です。

1990年の平均初婚年齢が26歳未満なのを考えると
必然的に「高齢出産」とよばれる出産が多くなることは分ります。

これは日本だけにみられた傾向ではありません。
欧米の平均初婚年齢も30.2歳。
女性の社会進出が世界でもトップで
国内の与野党を務める党首の多くが30代の女性である
スウェーデンでは33.8歳となっています。
そうみると日本はまだ若いほうなのです。

なぜ35歳以上(OVER35)が基準なのか

ではなぜ結婚・出産の年齢が高くなっているにも関わらず
OVER35から「高齢出産」といわれるのでしょうか。

それは医学的視点において
35歳以上における出産は
産科リスク等の可能性がいっきに高くなってしまうから
です。

昔と比較すれば、
医療の発達や生活スタイルの変化で
女性の体は若く、健康な状態を維持できるようになってきました。
しかし、女性の妊娠適齢期は昔と変わっていないのが事実です。

日本産婦人科学会によると
35歳以降になると急激に卵子の質が悪化(染色体異常の増加)し
37歳以降になると急激に卵子の数と妊孕性(妊娠しやすさ)が低下
することが報告されています。

そうはいっても
現在の医療技術は日々進歩し
35歳以上だからといっても
そのリスクに対しての回避や対処によって
その割合は減ってきています。

しかし、現在は3人に1人が高齢出産を経験する時代
数も増えれば、その分の異常数も増えてくるため
ネットを調べれば怖い情報も入ってくるが当たり前なのです。

高齢出産でも「初産婦」と「経産婦」は違う

同じOVER35でも
一度出産を経験された「経産婦」さんと
出産がはじめての「初産婦」さん
では妊娠・出産期のリスクの程度は変わってきます。

一度出産を経験されている「経産婦」さんの方が
出産経過がスムーズで同じ年齢でもリスクが少なくはなります。

これは一度妊娠・出産すると
女性の体は覚えており
次の出産時に対応できるようになるからです。
例えば、子宮口の開きやすさだったり
お産の進行が早くなります。

しかし、経産婦さんでも
前回の出産で(年齢関わらず)何かしらの産科異常等があった場合には
今回の出産でもその可能性は十分高くなります。

そのため経産婦さんでも
OVER35で出産を迎えるのであったら
以前と同じような過ごし方ではなく
より自分の「こころ」と「からだ」を大事にして
過ごしていかなければなりません。

初産婦さんははもちろんのことです。

まとめ

OVER35での出産は
それまでの出産よりリスクが高くなるのは事実
です。

詳しくは
【どういうのがあるの?高齢出産でみられる6つのリスク】

だからこそ、
OVER35での妊娠・出産・育児を
より自分らしく、満足のいくものにするために
妊娠期からの過ごし方が大事になってくるのです。

しかし、高齢出産はメリットも多いのです。
実際ヨーロッパでは高齢出産のママや子育て家庭に対し
ポジティブな世論になっています。
※詳しくは
【良い事いっぱい『高齢出産』のメリット】

あなたが「高齢出産」を迎えるのであれば
その中身を知ることで
より上手く向き合うことができます。

命を育むことができる女性は本当に尊い。
母親になることができたのなら
自分に自信を持ち
OVER35でも胸を張って妊娠・出産・育児を迎えていきましょう。