はじめに
ミルクを飲んで欲しいのになかなか飲まない、量を飲んでくれない。
哺乳瓶のゴム乳首を嫌がる。
このような相談をたくさん伺います。
その原因はお子さんの特徴や環境によって様々です。
赤ちゃんが早産で産まれた場合や新生児(産まれて1ヶ月未満)の場合は、
飲む力が弱くうまく飲めなかったりします。
また、母乳を飲んでいる子は乳頭混乱を起こしてしまい、
ゴム乳首を嫌がる、またはうまく吸いつけないことがあります。
しかし、どうしてもミルクを飲ませないといけない場面はでてきます。
赤ちゃんの体重を増やすように言われている、
断乳するためミルク栄養に移行しなければならない、
急に子どもを預けないといけなくなってしまったなどです。
今回は、そのようなお子さんに少しでもミルクを飲んでもらうための
方法をいくつかご紹介します。
お子さんに合わせたやり方を検討し根気強く飲ませていきましょう。
断乳でミルクに移行される方は、母子共にスムーズに断乳を行う方法を
以下で紹介しています。参考にされてください。
ミルクを飲めるようになるための工夫
ミルクの温度は冷えていないか
ミルクの温度が適切であるかを確認するのは基本ですが、
飲ませている間に冷えていき飲みにくくなっている場合も多くあります。
お子さんが小さいうちは作るミルクの量も少ないため、
その傾向がみられ冬場は尚更です。
最初はごくごく飲んでいたのにだんだん飲みのスピードが遅くなった、
という場合はミルクの温度を確かめてください。
冷えている場合は、湯煎をするのが一番ですが
時間がない場合は電子レンジで10秒刻みで温めて温度を調節してください。
いずれの温め直しの場合も、その後よくまぜ温度を均一にさせましょう。
やけどには注意しましょう。
ゴム乳首の空気穴(ゴム乳首の横にある)を上に向ける
ゴム乳首の横に空気穴があることはご存知だと思いますが、
その位置を意識したことはありますか。
授乳させるときこの空気穴が上にきている方がミルクの出は良くなります。
この空気穴はゴム乳首の先端が潰れないようにしてあるものです。
逆に空気穴が横側になっていたり下側を向いていると
ミルクの出が抑えられます。
もし授乳時に空気がうまく取り込めずゴム乳首の先端が潰れてしまったら
ミルクをなかなか飲むことができなくなります。
授乳時時はゴム乳首の空気穴がしっかり上に来ていることを確かめましょう。
また何回も消毒を繰り返していると、
空気穴が閉塞していたり狭くなったりしている場合があります。
その際は爪楊枝等で穴を大きくしましょう。
ゴム乳首の穴を大きくする
飲む力が弱かったりする場合は、ゴム乳首の先端の穴(ミルクが出る穴)
を大きくしてみましょう。
現在のゴム乳首は、
母乳と同じような顎の使い方をしないとなかなかミルクが出ないゴム乳首が増
えてきました。乳頭混乱を起こしにくくしたり、飲みすぎ防止になったり
ゴム乳首もとてもよく改良されてきていますが、
それでは飲めないお子さんもたまにいらっしゃいます。
すでに買ってしまったゴム乳首がそのタイプであれば、
吸口の穴部分を大きく開けてあげるのも方法の一つです。
爪楊枝等で先端を少し通すぐらいでいいでしょう。
注意して欲しいのは
絶対既存の穴以外を増やさないこと
穴を大きくし過ぎてしまわないことです。
赤ちゃんののむせの原因になったり、空気も多く飲みやすく
嘔吐の原因になります。
新しいゴム乳首を柔らかくする。
新品のゴム乳首は硬く、飲む力が弱いお子さんにとって
飲みづらかったりします。
産院等で使用しているゴム製のゴム乳首は新生児用であり
病院専用のゴム乳首を使用しているところも多いため、
病院では飲んだのに家では飲んでくれないと相談される方も多くいます。
ゴム乳首はある程度の硬さがあった方が母乳と同じように
顎を使う飲み方になるので良いとされているのです。
ゴム乳首を柔らかくしたい場合は
消毒液(ミルトンなど)に数日つけておくことをお勧めします。
またシリコン製よりはゴム製の方が劣化が早く柔らかくなりやすいです。
程よく柔らかくして使用してみましょう。
ゴム乳首を新しく購入する
ゴム乳首がどうしても合わない場合は、
新しいものを購入するのも検討しましょう。
そもそも持っているゴム乳首はどういうものなのかをちゃんと見てみましょう。そして購入する際は、その子の状態によって選びましょう。
飲む力がない子は新生児用などの力をあまり使わなくて良いゴム乳首を。
母乳からの移行で乳頭混乱を起こしているのであれば、
より母乳と同じような顎の使い方をするゴム乳首を選ぶことをお勧めします。
乳頭混乱でゴム乳首を嫌がる場合
お腹が空いていたら癇癪を起こし吸い付き悪くなるお子さんもいます。
その場合は母乳や抱っこで少し落ち着かせましょう。
母乳をされている場合は、おっぱいを吸わせながら
ゴム乳首をそっと脇から入れてみます。
母乳からミルクに移行する場合は特に根気がいる作業になります。
時間をかけて余裕を持って行うのが理想です。
母乳を哺乳瓶で飲ませる練習を日頃からしておくと
ゴム乳首に慣れてくれます。
またお母さん以外の別の人がミルクを飲ませるのもよいでしょう。
このときお母さんが視界に入るとおっぱいを求めてしまいやすいので
任せられる家族の方がいたらお願いしてみるといいでしょう。
数回吸えるようになればお母さんでも哺乳が出来るようになります。
離乳食が始まり、ストロー飲みなどができるようになれば
様々な顎や舌の動きができるようになります。
そのため今まで吸わなかったゴム乳首も吸えるようになる場合もあります。
さいごに
お子さんの状況に応じて対処法は少しづつ変わっていきますが、
今回ご紹介した方法をまずは試してみてください。
赤ちゃんは私たちが思っている以上に意思を持っています。
そのため自己主張が激しく大変な思いをされるお母さん方もいることでしょう。どうしてもうまくいかない場合はぜひ産院など相談されてくだい。
赤ちゃんの栄養のことなので、神経質になりストレスが溜まってしまいます。
少しでも何かあったら周りに相談し家族で一緒に対処していきましょう。