ＯＶＥＲ35で出産を控えている方から
「帝王切開になりますか？」
ということをよく質問されます。
実際
ＯＶＥＲ35の出産では
２０代の出産と比較すると
帝王切開率は高くなります。
しかし
ＯＶＥＲ３５の方全員が
帝王切開になるわけではありません。
どういうときに帝王切開になるの
帝王切開は「希望したからできる」ような
お産方法ではありません。
最優先されることは
お母さんとお腹の赤ちゃん（胎児）の安全です。
医師により
「経腟分娩」より「経腹分娩」の方が良い
と診断されて
はじめて帝王切開をすることになります。
帝王切開になる要因とは
帝王切開になる要因はさまざまですが
お母さん側の要因と
お腹の赤ちゃんの要因の
２種類があります。
【母体適応】
児頭骨盤不均衡・前置胎盤・子宮破裂・重症妊娠高血圧症候群・常位胎盤早期剥離・分娩停止・分娩遷延など
【胎児適応】
胎児機能不全（胎児ジストレス）・臍帯脱出・子宮内胎児発育遅延・切迫早産・早期前期破水・多胎など
※参考文献：
日本産婦人科学会誌60巻5号 Ｄ産科疾患の診断・治療・管理「15 帝王切開術」
帝王切開はいつ決まるのか
帝王切開には
「予定帝王切開」と「緊急帝王切開」があります。
読んでお分かりになるように
前もって予定されている場合と
緊急に行う場合です。
「予定帝王切開」は
健診などを通し
最初から「経腟」ではなく
「経腹」での分娩が好ましいと
判断された場合に
予定的に行われる帝王切開です。
「緊急帝王切開」は
「経腹」の途中で状態が急変し
帝王切開の適応になった場合や
まだ出産時期にはないにも関わらず
何かしらの原因で緊急に分娩が必要になり
「経腹」が望ましいとなった場合に行われます。
そのため
「緊急帝王切開」の場合は
誰しもが予期せぬ状態である
ことが多いのです。
なぜＯＶＥＲ35での出産は帝王切開率が高いのか
ＯＶＥＲ35での出産は
妊娠による病気の発症、合併症、難産などの
可能性が高くなります。
例えば…
重症妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剥離、さまざまな病気との合併症妊娠、軟産道強靭や微弱陣痛による分娩遷延や分娩停止、切迫早産、胎児発育遅延などなど…
そのため
帝王切開の適応条件が当てはまる場合も
多くなってしまうのです。
母子の命の安全を最優先と考えると
ＯＶＥＲ３５での出産はどうしても
帝王切開率が上がってしまいます。
※関連記事
【どういうのがあるの？高齢出産でみられる6つのリスク】
ＯＶＥＲ35の出産で大事なこと
「予想していた出産方法と変わる」
ことは多くあります
これはＯＶＥＲ35に限ったことではありません。
しかし、ＵＮＤＥＲ34の出産に比べると
緊急帝王切開の可能性が高くなるのも事実
また以前出産を経験して
今回初めて
ＯＶＥＲ３５で出産する経産婦さんも
以前よりさまざまなリスクが
高くなっています。
もちろん理想をあげ
それに近いお産ができるように
「こころとからだの準備」をすることは大切です。
しかし
「自分が思っていた出産方法にならない」
可能性があることも
しっかりと心に留めておいてください。
出産において
一番大事なことは
母子ともに無事に出産を終えることです。
そして
次に大事なのは
自分で納得した出産にできるかです。
どんな形であれ
無事お産を終え
かつ自分の納得したお産ができる。
これができるかできないかで
今後の育児や
自分の人生を
大きく左右していきます。
「帝王切開」は悪いことではない
帝王切開だけではなく
「出産」は
素晴らしいことです。
だって
赤ちゃんの尊い命を
お母さんは命がけで
この世に誕生させたのですから。
帝王切開も立派なお産です。
だからこそ
あらかじめ帝王切開についても
自分で知識を身につけておきましょう。
「もしかして帝王切開の場合もあるかも」
という心構えだけでも
出産に対する満足度が全く違ってくるのです。
さいごに
ＯＶＥＲ35での妊娠・出産は
「思っているのと違う」の連続です。
しかし
それらをいかにポジティブに受け止め
適応するかが大事です。
これは育児にも通じます。
育児こそ
自分の思い通りにはなりません。
出産で
「思っていたのとは違う」
「お産に満足できなかった」
を引きずってしまうと
産後うつ
過度な育児ストレス
産後クライシスなど
を引き越す可能性も高くなってしまいます。
だからこそ
妊娠期の過ごし方が
とても大切になってくるのです。
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