【助産師監修】赤ちゃんの泣き声の不思議

楽しい育児

赤ちゃんの泣き声を聞くと、愛しく感じたり癒されたりしますが、自分に余裕がなかったりすると、その声でとてもイライラしてしまったり、すごく焦ってしまったり…こんなことありますよね。


子どもの泣き声、特に赤ちゃんの泣き声って本当に耳に響きます。
出産したてのお母さん、それが初めてのお産だったらなおさら、赤ちゃんの泣き声はお母さんに焦りやイライラを感じさせるものになります。

それは一体なぜなのでしょうか。

赤ちゃんの泣き声にイライラしてしまう理由とは

それは赤ちゃん(特に新生児)が、脳が1番反応する『ラ』の音階で泣くからです。そして、赤ちゃん一人一人がその赤ちゃんのお母さんが1番反応する周波数で泣くからです。


私達人間が不快に思う周波数が2000〜5000Hzと言われています。その間に赤ちゃんの泣き声の周波数も含まれています。その上、赤ちゃんは自分のお母さんが1番反応する周波数を知ってます。そのためピンポイントでそのお母さんに合わせた周波数で泣くのです。

赤ちゃんはお腹にいるときからお母さんの声を聞いています。聞くといっても、まだ耳が聞こえない状態から、細胞のときから、お母さんの声を振動で感じています。

(詳しくは「お腹の赤ちゃんに話しかけるのはいつから?」へ)
その証拠に、出産直後でも赤ちゃんはお母さんの声に1番に反応し、目を開けてくれるのです。
お腹の中でお母さんと一心同体となって育ってきた赤ちゃんは、お母さんの事を何でも知っています。だから、お母さんが1番反応してくれる泣き方も知っているのです。

そのため、お母さんは我が子の泣き声を聞くと赤ちゃんを愛おしくも思う時もあれば、焦ったりイライラする事があるのです。

イライラするのは「当たり前」の現象

赤ちゃんの泣き声にイライラしたり、焦る事は全く悪い事ではありません。むしろ普通で当たり前のことです。そうやって赤ちゃんがお母さんに訴えかけ、自分の方に注意を向けようとしているメカニズムが発生しています。
安易に「自分は悪い母親だ」と責めないでください。

他の赤ちゃんの泣き声を聞いてすぐイライラしますか?
我が子ほど敏感にはならないのではないでしょうか。たまに不快に感じるのは2000〜5000Hzの間で発せられる周波数のせいです。
しかし、お母さんは、我が子の泣き声になるととても敏感になります。ピンポイントでそのお母さんの脳を刺激する周波数で泣くから。脳と心を揺さぶる泣き方をしているから。だから一見同じように聞こえる赤ちゃんの泣き声も、我が子ならすぐ分かってしまうのです。

産科の病棟では、お母さんの疲労が強い時に赤ちゃんを預かり、お母さんに寝てもらう事があります。(夜間の母児異室)
他の赤ちゃんも泣いたりしている中、自分の赤ちゃんが泣いてる時だけ、お母さんはそれを感じ取り「自分の赤ちゃんが泣いているのではないか」と、心配でわざわざ見にくる事がよくあります。お母さんは離れていても自分の赤ちゃんの泣き声が無意識に分かるようになっているのです。これは紛れもなく、赤ちゃんとお母さんが繋がっていた証拠なのです。

イライラした時の対処法

育児をする上で、イライラする時、焦る時がいっぱいあるかと思います。
でも、そういう時こそ、第三者目線で立ち止まってください。
そして、このように考えてみてください。

「そっかぁーこんな感情になるのは、あなたと私が繋がっていたからなんだね。親子だからだよね。」

そう思うと、もっと愛おしく感じてきませんか?

赤ちゃんは泣くのがお仕事です。
すぐに泣き止ませなくていいんです。家の事をしないといけない時は泣かせててもいいんです。

しかし、これだけは忘れないでください。泣かしてもいいけど、しっかり赤ちゃんに声を掛けてあげてください。
「あなたの事を気にかけてるよー」「もうちょっと待っててねー」って。
そしたら、ちゃんと赤ちゃんは分かってくれます。泣き止まなくてもちゃんと分かってるのです。無視をせず、なにかしらのアクションを起こしてあげる事が大切なのです。

さいごに

お母さんになったみなさんは経験があると思いますが、自分がイライラしてしまうと赤ちゃんにも伝染してしまいますよね。なおさら泣き止まなくなります。
そんな時こそふと立ち止まって唱えてみてください。

赤ちゃんは泣くのがお仕事。
自分がイライラしてしまうのは、この子と「親子」っていう証拠なんだ。

なんて愛おしいんだろう。