【助産師監修】なぜ赤ちゃんは便秘になる?便秘予防法も説明

楽しい育児

赤ちゃんの便秘で悩まれているお母さんは多いのではないでしょうか。
実際赤ちゃんの便秘についての質問は多く聞かれます。
産婦人科に勤務していると、そのような相談の電話を受けるのです。

産まれて間もない新生児期の便秘や
離乳食が始まってからの便秘

その子の体質だったり、その時の生活環境によって
赤ちゃんは便秘になりやすいものです。

大抵の場合は2日経てば排便がありますが、
便秘が癖になっている赤ちゃんは、
3日以上出ない日も当たり前になってきます。

しかし、便秘になると大人も苦しいように、
赤ちゃんも苦しい思いをしてしまうことがあります。

「うーんうーん」とうなって顔が真っ赤になったり、
赤ちゃんの機嫌が悪くなったり、寝つきも浅くなります。

便秘がひどくなると腹部が膨満するので苦しくてうなることが多くなります。
抱っこしても体を反ったり、
どうやっても身の置き場所が無い状態になったりもします。
さらには、
母乳やミルクを飲む量も減ってきたり、
嘔吐の回数が多くなってしまいます。

病院に行く目安としては
嘔吐の増加、血便がみられた場合、赤ちゃんの様子が普段と違う時など
があげられます。
来院前にかかりつけの小児科(新生児は産婦人科)
に連絡をすると良いでしょう。
来院の判断がつかない場合も病院に電話相談しましょう。
また、休日や夜間の場合は全国どこからでも相談できる
#8000に相談してみましょう。

そんな苦しい思いをさせないためにも
定期的に赤ちゃんの排便がみられるように
日頃から行って欲しい、便秘を予防するための心がけを説明します。

赤ちゃんはなぜ便秘になるのか

そもそも、なぜ赤ちゃんは便秘になりやすいのでしょうか。

それは、赤ちゃんの腸が「未熟」だからです。

腸は蠕動運動という動きをすることで食物を消化しています。
しかし赤ちゃんの腸は未熟であるため、その蠕動運動がうまくいかず、
便秘になりやすくなってしまいます。
また寝返りをうつ前の時期(生後4〜5ヶ月)までは、
体も自由に動かすことができないため、
体動によって腸を刺激することもできません。
そのため、腸の動きが緩慢になってしまうのです。

また、ミルクや母乳の量等
赤ちゃんが摂取する水分が不足していると便秘になります。
離乳食を開始すると、水分摂取量が少なくなってしまう傾向があります。

赤ちゃんの便秘予防

運動する

腸を動かすために運動をしましょう。
特に下半身を動かすと腸への刺激になります。

おすすめの運動は
大人が両手で赤ちゃんの両足首を持ち
膝がお腹に付くぐらいに交互に曲げ伸ばしをする運動です。

普段のスキンシップや、遊びの中に取り入れやすい運動です。
歌を歌いながら、リズムよく曲げ伸ばししてあげると
赤ちゃんもリラックスして喜んでくれます。

水分を摂る

母乳やミルクを飲む量は適量でしょうか?
便だけではなく尿の回数も少なくなっていないか確認しましょう。

ミルクの場合は与える量や回数を増やしてみましょう。
母乳の場合はお母さん自身が水分不足になっている場合があります。
お母さんの小まめな水分補給と共に、
授乳前にコップ一杯の常温の水(麦茶等ではなく水の方が吸収が良い)
を飲むと効果的です。
それでも改善されない場合はミルクで水分を補いましょう。

また離乳食が始まれば、
自然と赤ちゃんの飲む量が少なくなってしまいます。
そのため食事のときも、しっかり水分を摂ることです。
夏の暑い日、汗をかいた時、
運動後やお風呂後、寝起きにも十分に水分を摂取させましょう。

授乳中に赤ちゃんのお腹を温める

授乳中は赤ちゃんの腸も動きます。
この時、お母さんの温かい手を
赤ちゃんのお腹に当ててあげましょう。
マッサージはせず優しくのせるだけで十分です。
ミルクの場合や、手が冷えている場合等は
お腹から太ももにかけてタオルをかけてあげましょう。
冬場の場合は体全体をしっかり包んで保温しましょう。

お腹のマッサージ

中3本の指の腹全体を使い、
赤ちゃんのお腹が少し凹むぐらいの圧を加えながら
「の」の字にマッサージをします。
(おへそを起点に「の」を書くイメージでマッサージ)
この時、赤ちゃんの服の上からマッサージしましょう。
服越しの方が、指の滑りがよいため効果的なマッサージになります。
またマッサージする手は温かくしてあげましょう。

より効果を得たい場合は、ベビーオイルを肌に塗布し直接マッサージしてみるといいでしょう。


肛門刺激

オムツを替える際行うとよい方法です。
大人の親指の腹をおしり拭き越しにしっかり赤ちゃんの肛門にあてます。
そのまま1~2秒ほど圧迫、そして緩めます。
これを5回ほど行いましょう。
肛門から腸に刺激を与えることができ、蠕動運動を促します。
ガスが出るときがありますが、
これはしっかり腸へ刺激ができた証拠です。


金魚体操

金魚体操とは、仰向けの体勢で下半身を揺らす体操です。
下半身を揺らすことで腸の動きも活発になります。
また、全身の血行も良くなり気持ちいいため、
赤ちゃんも喜んでくれる体操です。
赤ちゃんによっては、寝付かないとき、ぐずったときに泣き止む体操としても知られています。

赤ちゃんの両足首を大人が下から片手で持ちます。
(慣れない場合は両手でも大丈夫です)
赤ちゃんの両膝をお腹に近づけ
さらに膝が外を向くように、足がひし形の形になるように膝を曲げます。
その状態で足首を持った手を左右に揺らしましょう。
そうすると赤ちゃんの腰から下が簡単にゆらゆら動きます。
赤ちゃんが気持ち良さそうにしている間はしばらくし続けましょう。

おわりに

赤ちゃんの便秘予防は
普段の生活でも簡単にできます。
是非、いろいろ試してみたください。

しかしそれでも便秘になってしまうことはあります。
その時は便秘の解消法として綿棒を使った
「綿棒カンチョウ」をするとよいでしょう。

次回は
初心者ママでも簡単にできる「綿棒カンチョウ」の簡単な方法
をお伝えしていきます。