【助産師監】いろいろ使える!ベビー用ワセリン活用法

便利なアイテム

赤ちゃんは皮膚のバリア機能が未熟なため
日ごろからしっかり保湿することが大切!

その時に活躍するのが
薬局でもよく売られているベビー用ワセリンです。

ワセリンとは石油を精製してつくられた
100%石油由来のミネラルオイルですが
合成物ではないので天然成分100%ともいえます。


中でもベビー用ワセリンは
不純物を取り除いた「白色ワセリン」を使用しており
副作用はなく赤ちゃんの肌にも安心して使える保湿剤です。

しかし、このベビー用ワセリン。
肌の保護だけではなく
いろいろ場面で使える便利なアイテムなのです。

今回は赤ちゃんのお世話で大活躍する
ベビー用ワセリンの活用法を紹介します。

基本の使い方(保湿クリームとして)

皮膚保護の重要性

赤ちゃんの肌は一見潤って見えていても
大変乾燥しやすくそれが原因で多くのトラブルが発生します。

乾燥肌を予防することは
乳児湿疹などの肌トラブルを防ぎます。
さらに新生児のうちから保湿をしっかりすることで
その後の食物アレルギーの出現を防ぐとも言われています。

保護クリームとしての使い方

ワセリンは保護膜を作ってくれるのが特徴です。
そのため肌に塗布することで水分の蒸発を防ぎ乾燥を防いでくれます。
また、外からのアレルゲンなどもブロックしてくれる
効果が期待できます。

乾燥があまり気にならない赤ちゃんは
お風呂上りの肌に
そのままワセリンを薄く伸ばして塗布しましょう。

乾燥が気になる赤ちゃんや部位には
ベビークリームやローションなどで最初水分を補充し
最後にその上に
ベビー用ワセリンを薄く伸ばして塗布してください。


乳児湿疹の治りを促し
おむつかぶれや口回りの肌荒れなどの
改善も期待できます。

注意すること

塗布するときはママなパパの手を清潔にして
塗布してください。


うまくワセリンが塗布できない、伸ばせない場合は(特に冬場)
ママの手の平に出し両手で挟むように温めると
伸びがよくなり塗布しやすくなります。

またベビー用ワセリンは顔・体全体に使用が可能です。

手にも使用できますが
赤ちゃんは口を手をいれることが多いため
ワセリンの塗布ではなく
口にいれても大丈夫な
ベビー用保湿剤を塗布するのをおすすめします。

またベビーワセリンは無臭です。
もし使用していくうちに
臭くなるようなら
ワセリン内で菌が発生している可能性があり危険です。
臭いがするようなら処分してください。

ベビー用ワセリンの活用術(赤ちゃん編)

かさぶた、かりの除去

乳児湿疹がひどくなると浸出液が出て
かさぶたのような塊ができます。

頭にも同様なかさぶた(カリ)ができます。
そのままでは除去するのは難しく
無理やり剥がすと出血したり痛みが生じるため
丁寧に除去しないといけません。

ベビー用ワセリンを
お風呂に入る5〜10分前に塗布し
ガーゼで拭き洗いするとふやけて除去しやすくなります。

耳掃除

赤ちゃんの耳掃除は
お風呂上りに行うと効果的です。
しかし、うまく取りきれないゴミや汚れもあります。

綿棒にベビー用ワセリンを少しつけ
優しく拭き取ると汚れがとれます。

※赤ちゃんの耳掃除は外耳部分(耳の外側)の掃除で十分です。

おしりのかぶれ

おむつかぶれでおしりが赤くなることがあります。
また、便が続いたりすると
何度もおしりを拭くため赤くなってしまいます。

赤くなった部分や、赤くなりそうな部分に
ベビー用ワセリンをたっぷりめに塗布しましょう。


赤くなった皮膚を保護し治りが早くなります。
また塗布したところの便の付着を避け、
おしりを拭く際も肌を傷つけることなくケアすることができます。

綿棒浣腸の潤滑剤

赤ちゃんは腸も未熟なため便秘になりやすいです。

その際、綿棒で肛門を刺激する
「綿棒浣腸」を指導されたりするでしょう。

綿棒浣腸の際
綿棒の綿部分にベビー用ワセリンを塗布することで
肛門にスムーズに挿入でき
刺激する際も肛門部分を傷つけなく行うことができます。


おしりかぶれや肛門刺激の際ワセリンは
顔や他の体に使用するワセリンとは
別にすることをおすすめします。

口周りのかぶれ

月齢が進んでいくとよだれが多くなり
口周りの皮膚が赤くなることがあります。

また離乳食が始まると口の周りを汚しやすくなり
皮膚がかぶれやすくなるのです。

ベビー用ワセリンはおむつかぶれと同様
汚れから肌をガードしてくれ
口周りのお肌を保湿しながらかぶれた部分の治りも
改善してくれれます。

鼻周辺の肌荒れ

鼻水が増え
ティッシュやガーゼで除去することが多くなると
鼻や鼻の下の皮膚がかさかさになり赤くなります。

時には痛みも生じるため
鼻をとるの嫌がることもでてきます。

鼻の下などにベビー用ワセリンを薄く塗布する事で
肌を保湿し治りを早くするだけではなく
鼻水が出た時に除去する際の痛みも抑えてくれるでしょう。

爪切りしやすい・飛び散らない

赤ちゃんの爪切りの際
ワセリンを塗布した後に切ることで
爪が飛び散らずお掃除しやすくなります。


また月齢が過ぎるる、幼児になってくると
爪が硬くなってくるため
爪切りハサミでは切りづらくなってきます。
ワセリンを塗布すると
爪が柔らかくなり切やすくなります。

唇・リップとしては使用できる?

赤ちゃんの唇の乾燥への塗布は
あまりおすすめできません。
お子さんが唇を舐めないようになってくれば
使用しても可能です。


赤ちゃんの唇の乾燥には
「ベビーワセリンリップ」という
通常のベビー用ワセリンよりさらに不純物を省いた
口に入っても大丈夫な商品があるため
このような商品の利用をおすすめします。

ベビー用ワセリンの活用術(ママ編)

乳頭亀裂・乳頭保護クリーム

ベビー用ワセリンは乳頭保護クリームの代用として
乳頭亀裂の治りも期待できます。

授乳後ワセリンを患部に薄く塗布し
ラップを貼って保護しましょう。

授乳の際は
ワセリンが残らないように拭きあげてください。
しかし、ワセリンのふき取りを強くすると
乳頭の皮膚へのダメージになります。

乳頭亀裂をより早く治したおいのであれば
赤ちゃんにも使用でき口に入れても大丈夫な
バーユやラノリンを使用するのをおすすめします。

乳頭ケア・乳頭の垢取り

出産前の乳頭のケアは大切です。
ベビー用ワセリンは潤滑油または垢取りとして使用できます。

皮膚も保護してくれるので
乳頭の皮膚の伸びも良くしてくれるため
乳頭マッサージにも便利です。

乳頭マッサージや乳頭の垢とりの
詳しい方法についてはこちらの記事も参考にされてください。
【誰でも簡単!痛くない乳頭マッサージの方法】

皮膚保護・髪の保湿

産後のホルモンバランスの崩れや
育児で自分の時間を十分に確保できないため
ママの髪や肌はボロボロに…

ハンドケアなどの肌の保湿やヘアケアの際に
専用のクリームを塗布した後
ワセリンを薄く伸ばして塗布すると
その効果がアップし潤いが続きます。

さいごに

最近では白色ワセリンのなかでも
より刺激が少ない「プロペト」も薬局で
販売されるようになってきました。


プロペトは眼科で使用する
目の粘膜にも使用できるほどのワセリンです。
ベビーワセリンも低刺激ですが
より低刺激のプロペトもおすすめです。

また、乳頭保護クリームとして使用される
バーユやラノリンも紹介しましたが
こちらは動物由来なので
稀にアレルギーを起こす事があります。 

ベビー用ワセリンに使用されている白色ワセリンは
副作用がほとんど報告されていない安心できる保湿剤ですので
ぜひ出産前に1つ揃えておくと便利でしょう。