赤ちゃんが成長してくると
動き回れるお腹の空間が狭くなるため
赤ちゃんの動きも制限されていきます。
そして動きが制限されてくる
妊娠後期(妊娠8ヶ月、妊娠28週~)までには
自然と赤ちゃんの「頭は下」になり
赤ちゃんの「背中はお母さんの左側」になります。
出産間近になると
7~8割ほどの赤ちゃんがこの体勢になっていくのです。
なぜこのような体勢が多くなるのでしょうか。
赤ちゃんの頭が「下」にくる理由(頭位)
お腹の赤ちゃんの頭が下にくる
一番の原因は「重力」です。
そのため一番重い頭が
重力により下にくるといわれています。
さらに、頭が子宮の入り口付近にある方が
出産時体も娩出し易いことを
赤ちゃんは知っています。
身動きがあまり取れなくなってくる
妊娠8ヶ月ごろには頭の位置を下の方にもっていき
お産に備えます。
また頭を下にすることで
頭への血液循環量を増やすとも言われています。
妊娠後期も絶え間なく成長する赤ちゃんは
脳の発達も凄まじい勢いで成長します。
そのため、一番栄養を使う頭に
血液が行きやすいようにするため
とも言われています。
しかし、逆子ちゃん(骨盤位)のお子さんと比較しても
脳の発達に差はありません。
そのためこの理由は
あくまで仮説の一つになっています。
赤ちゃんの背中が「左側」にくる理由
お母さんの右側には
肝臓と呼ばれる大きい臓器があります。
また、お母さんの背中の近くにある
大きい血管(下大静脈)が右寄りにあります。
それらを避けるため
お腹の中の赤ちゃんは
自然に背中をお母さんの左側にもっていき
お腹の中で少しでも自由に動けるようにしているのです。
この位置が一番居心地がよいとも言えます。
赤ちゃんの頭が「上」(逆子)にくる理由
8割ほどの赤ちゃんは頭が「下」で
背中は「左」に位置するのですが
中には頭の位置が「上」の逆子ちゃんだったり
背中が「右」にくることもあります。
背中の位置が「左」か「右」かは特に問題ありません。
しかし、逆子ちゃんになると
下からのお産(経腟分娩)はリスクが高いため
ほとんどが帝王切開になります。
お腹の中の体勢に影響を与える原因として
胎盤や臍の位置によるもの
骨盤のゆがみによるもの
子宮の形に影響を与える子宮筋腫や
子宮の奇形によるものが考えられます。
いずれの場合も
赤ちゃんが過ごしやすい場所に移動した体勢が
結果的に逆子だったということなります。
現在では逆子を治す体操や
外転術といった施術は行わないようになってきています。
無理に赤ちゃんの体勢を変えてしまうと
常位胎盤早期剥離(胎盤が子宮の中で剥がれてしまう)や
切迫早産、胎児仮死などのリスクが高くなるからです。
赤ちゃんの体勢が分ったら
妊娠後期になってくると
ほとんどの場合赤ちゃんの背中の位置が決まってきます。
声掛けするときは
赤ちゃんの背中部分をいっぱい撫でて
話しかけてください。
お腹が大きくなってくると
お腹の厚みはとても薄くなるため
お母さんが触れば
赤ちゃんも触られていることがしっかり分ります。
赤ちゃんの背中を撫でながら声を掛けることで
体温や触覚が伝わります。
それは赤ちゃんの頭にとてもよい刺激を与えるのです。
赤ちゃんへの声かけのメリットは
「お腹の赤ちゃんに話かけるのはいつから?」でも
紹介していますので参考にされて下さい。
また背中の位置が分ると
その反対側に赤ちゃんの足が位置することになります。
逆によく蹴られる場所から
背中の位置も推測することができます。
蹴る側のお腹にむかって
赤ちゃんが蹴ってきたときに
お母さんも同じようにお腹をトントンと叩いてみましょう。
お腹の赤ちゃんも応えるように
お腹を蹴って反応します(キックゲーム)。
このコミュニケーションもとても幸せを感じる瞬間ですので
ぜひお試してください。
さいごに
赤ちゃんは私たちが思っている以上に賢く
いろいろ考えてお腹の中で大きくなっていきます。
赤ちゃんとの語らいを大事に
この大切な時期を楽しく過ごしてくださいね。