【助産師監修】妊娠・出産・育児を乗り切る「夫婦力」とは【後編】

【助産師監修】妊娠・出産・育児を乗り切る「夫婦力」とは【後編】

前回に引き続き
人生の大きいライフイベントである「妊娠・出産・育児」を
『夫婦力』次第で「楽に」過ごすことができる
メカニズムを科学的・心理的視点から説明をしていきます。

※【前編】はこちら↓
《「妊娠・出産・育児」期のホルモンが及ぼす「夫婦」への影響》

ホルモンを味方につけると
妊娠・出産・育児は「楽に」なる


「夫婦関係」をホルモンの
増減に左右されないために

前編で説明した「妊娠・出産・育児」時期の
ホルモンの影響をあらかじめ知っているとどうでしょうか。

奥さんはこの影響を知っていたとしても
ホルモンのせいで心身のバランスが崩れ、
どうしても制御できないこともあるでしょう。

しかし、
奥さんが少し荒れた(攻撃的になった)ところで、
旦那さんは奥さんのカラダで起こっている
制御不能の状態を理解し、接してくれることでしょう。
そうすると発せられる言葉が違ってきます。



この時期の奥さんは
「肯定」と「安心」が欲しいのです。

旦那さんに認められて、労われて
旦那さんから守れていると思うと、
奥さんは「自分の心のコントロール」ができていきます。

例えば…
「ありがとう」「頑張ってるね」
「休んでいいよ」「これは僕がやるよ」等


そのためにお互いに、
たくさんポジティブな言葉を伝え合いましょう。

一番良いのは、
やはり『ありがとう』の感謝の言葉と態度です。

ご飯を作ってくれるのが当たり前だと思っていませんか。
働いて給料をもらってくるのが当たり前だと思っていませんか。

家事を分担性にしてたり専業主婦だからといって
普段やっている事が当たり前と思い
感謝の言葉をかけるのが疎かになっていませんか。


ちょっとした心がけで
『夫婦力』は高めることができるのです。



「夫婦」お互いの言葉は、
それぞれに力を持ち、相手に大きな影響を与えます。

ポジティブな言葉は
「夫婦力」を強いものにし
家庭の外で受けるストレスにも
妊娠・出産・育児のストレスにも強くなっていくのです。


「妊娠・出産・育児」という
ホルモンの影響を多大に受けるこの時期は、
「夫婦力」を高める絶好のチャンスとも言えます。

前編でも述べたように、この時期に負った
奥さんのココロの傷は大きく残ると
説明しましたが逆も然りです。

この時期に旦那さんから受けた
「感謝の言葉」や「労いの態度」「優しい気遣い」は
奥さんのココロに一生残ります。

そして、
奥さんの旦那さんに対する愛情がより一層深いものになり
今後さらに旦那さんを大事にしてくれるでしょう。
そうすればお互いのことを
もっと愛おしく感じることでしょう。

「夫婦力」アップで
出産が「劇的に楽になる」メカニズム

「妊娠・出産・育児」期にとても大事なホルモンの一つで
「オキシトシン」というホルモンがあります。

このホルモンは普段
愛おしさを感じたり、幸福感を感じる時に放出されるホルモンで
別名「愛情ホルモン」とも言われています。

「夫婦力」が高い夫婦はこのオキシトシンを普段から多く浴びています。

また、
オキシトシンは陣痛を起こすホルモンであり、
出産後は母乳分泌も起こす女性にとっても大切なホルモンです。


『夫婦力』が高いご夫婦が出産を迎える場合

陣痛時に旦那さんが側で手を繋いだり、マッサージをしてあげることで、
奥さんは安心を得られ
反射的にオキシトシンを分泌します。

オキシトシンが分泌されると、
よい陣痛(お産がスムーズに進む効果的な陣痛)を得られるだけではなく、
陣痛が去った後の間欠期(陣痛と陣痛の間の時間)は
一切痛みが無くなり余裕で過ごせることができます。
*陣痛の詳しい話は
陣痛はこわくない!陣痛の事を知ればお産は「楽に」なる!】へ。


いざまた陣痛が来たとしても、
安心感の中で包まれる陣痛は
「痛いけど乗り越えることができる」陣痛なのです。

例え、旦那さんが側にいることができなくでも、
お腹の赤ちゃんを想い、旦那さんを想うと
自然にオキシトシンが分泌され愛情の輪に包まれるのです。


オキシトシンは自信も与えてくれます。
お産は不安だけど、
「なんとかなる!」「絶対産める大丈夫!」
この自信がさらに、オキシトシンの分泌を良くしてくれるのです。

自信は余裕を生み、
お腹の赤ちゃんのためにしっかり呼吸ができるようになります。
呼吸をしっかり行うと人は心身ともにリラックスできます。

すると驚くほど陣痛の「痛みに強く」なり、
お産が「スムーズ」に「楽に」なるのです。

*陣痛のメカニズムについては
陣痛はこわくない!陣痛の事を知ればお産は「楽に」なる!】へ

まとめ

「妊娠・出産・育児」期のホルモンの影響で
「夫婦」は良い風にも悪い風にも変化します。

せっかくならこれを機に、
ホルモンを味方につけて『夫婦力』を高めていきましょう。

そうすると、
「妊娠・出産・育児」が「楽に」なるだけではなく、
今後の長い夫婦人生をより楽しく過ごすことができます。

育児が一段落し、「夫婦」だけになったときに
「あぁこの人と結婚できて幸せだな」とお互い思える夫婦に
是非なりたいものですね。

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